こんにちは。AI活用.COM、運営者の「NAOYA」です。
最近、SNSやYouTubeなどで「AIで塗り絵を作って不労所得を得よう」といった甘い言葉をよく見かけますよね。
しかし、実際にAmazon KDPなどで出版してみたものの、全く売れずに「AIを使った塗り絵は稼げない」という厳しい現実に直面している方も多いのではないでしょうか。
2026年の今、市場はすでに飽和状態にあり、著作権や商用利用に関するリスクも複雑化しています。
この記事では、なぜ多くの人が失敗してしまうのかという構造的な理由と、それでも収益を上げるために必要な具体的な戦略について、私の視点で分かりやすく解説していきます。
- Amazon市場における供給過剰と競争の現状
- KDPペーパーバック特有のコスト構造と利益の少なさ
- アカウント停止や著作権に関わる法的なリスク
- 市場で生き残るための具体的な差別化と販売戦略
AI塗り絵は稼げないと言われる構造的理由
まず最初に、なぜこれほどまでに「AI塗り絵は稼げない」という声が増えているのか、その根本的な理由を見ていきましょう。単なる運やタイミングの問題ではなく、現在の市場には構造的な「壁」が存在しているんです。
Amazon市場の飽和と供給過剰の現実
正直なところ、2022年から2023年にかけての「生成AIブーム」の時期は、先行者利益があったことは間違いありません。しかし、Midjourneyなどのツールが普及したことで、誰でも簡単にプロ級の画像が作れるようになり、参入障壁が一気に下がりました。
その結果、Amazon KDPには毎日膨大な数の「AI塗り絵」が出版されています。経済学的に見ても、供給が爆発的に増えれば、当然ながら1商品あたりの価値や注目度は下がりますよね。現在は「ハイパーコンペティション(過当競争)」の状態にあり、広告費をかけられる大手が検索上位を独占しているため、個人がポツンと出版しただけでは、誰の目にも留まらずに埋もれてしまうのが現実です。
KDP出版の印刷コストと利益率の低さ
「稼げない」と感じる最大の要因は、実はここにあると私は思っています。電子書籍(Kindle)と違って、塗り絵は「紙の本(ペーパーバック)」として出版する必要がありますよね。これには物理的な「印刷コスト」がかかるんです。
Amazon KDPの仕組み上、売上からこの印刷コストが引かれ、その残りの金額からさらにロイヤリティが計算されるわけではありません。印刷コストは著者の利益を直接圧迫します。ちょっとシビアな計算をしてみましょう。
【100ページの塗り絵を800円で販売した場合の試算(例)】
| 販売価格 | 800円 |
| 印刷コスト | 約406円(固定費+ページ単価) |
| 推定ロイヤリティ | 約74円 |
※これは2025-2026年基準の計算式に基づいた概算です。 計算式:(販売価格 × 60%) - 印刷コスト = 利益
驚くかもしれませんが、1冊売れても手元に残るのはたったの74円程度なんです。月3万円稼ぐだけでも400冊以上売らなければならない計算になります。この「薄利多売」の構造こそが、多くの参入者が挫折する大きな原因ですね。
アダルト判定によるアカウント停止リスク
これはAI画像生成ならではのリスクですが、意図せず「アダルトコンテンツ」と判定されてしまうケースが多発しています。特にファンタジー系の女性キャラクターなどを生成すると、露出が高かったりポーズが扇情的だったりすることがありますよね。
Amazonの検知AIは非常に厳しく、塗り絵であってもこれらを「成人向け」と判断することがあります。一度アダルト指定されると、一般の検索結果には表示されなくなり、広告も出せなくなります。事実上の「販売停止」と同じ状態ですね。最悪の場合、アカウント自体が停止(BAN)されるリスクもあるため、運営には細心の注意が必要です。
著作権侵害の懸念と法的な問題点
ビジネスとしてやる以上、避けて通れないのが法律の話です。日本やアメリカの現在の解釈では、「AIが自律的に生成したものには原則として著作権が発生しない」という傾向が強いです。
【ここがリスク!】 あなたが苦労して作った塗り絵でも、法的には「誰のものでもない(パブリックドメインに近い)」と判断される可能性があります。つまり、第三者に画像をコピーされて転売されても、著作権侵害で訴えることが非常に難しいのです。
また、生成AIは既存の著作物を学習しているため、意図せず「有名なアニメキャラ」や「ディズニー風のキャラ」に似てしまうことがあります。これを販売してしまうと、逆に権利者から訴えられるリスク(依拠性の問題)も発生します。「知らなかった」では済まされないので、このあたりは本当に慎重になる必要があります。
低品質な生成画像に対する厳しいレビュー
2026年の今、購入者の目は非常に肥えています。「AIで作った画像」に対するアレルギーのような反応も一部で見られます。
特に塗り絵ユーザーにとって致命的なのが、以下のポイントです。
- 線が閉じていない(色が漏れる)
- 薄いグレーの陰影が残っていて汚い
- 指の本数や建物の構造がおかしい
こうした「AI特有のミス」を修正せずにそのまま出版すると、すぐに「手抜き商品」「ゴミ(AI Slop)」といった辛辣な低評価レビューがつきます。Amazonで★1がつくと、その後の売上は壊滅的になります。昔のように「質より量」で攻める手法は、今はもう通用しないと思った方が良いでしょう。
AI塗り絵で稼げない壁を突破する生存戦略
ここまで厳しい話をしましたが、では「絶対に稼げないのか」と言われると、そうではありません。実際に現在も収益を上げ続けている人はいます。ただ、そのやり方は「楽をして稼ぐ」ものではなく、しっかりとした「事業」としての戦略に変わっています。
商用利用ライセンスと規約の徹底確認
基本中の基本ですが、使用しているAIツールの規約は必ず確認しましょう。MidjourneyやCanvaなどは、プランによって商用利用の可否が異なります。
また、規約は頻繁に変わります。「昔はOKだったけど今はNG」ということもあり得ます。自分の身を守るためにも、常に最新の利用規約をチェックし、堂々と「商用利用OK」と言える環境を整えておくことが、長く稼ぎ続けるための土台になります。
競合のいないニッチなジャンル選定
「マンダラ」「花」「犬」といったビッグワードは、すでに大手や古参プレイヤーが占領している激戦区です。ここで戦うのは得策ではありません。
稼いでいる人は、もっと狭い「マイクロニッチ」を狙っています。
【狙い目のニッチジャンル例】
- 特定の犬種×世界観:「ただの犬」ではなく「スチームパンクな世界に住むパグ」
- 学習要素の掛け合わせ:「塗って覚える骨格解剖図(医学生向け)」
- シニア向け:「線が太くて見やすい昭和のレトロな風景」
このように、「誰に届けるか」を明確に絞ることで、検索ボリュームは少なくても、確実に購入してくれるファンを見つけることができます。
手作業による加筆と品質向上の重要性
ここがプロとアマチュアの分かれ目です。AIが出力した画像をそのまま使うのではなく、必ず人の手でレタッチ(修正)を加えることが重要です。
PhotoshopやIllustratorを使って、以下の処理を行うだけでも品質は劇的に向上します。
- 不要なゴミやノイズを取り除く
- 途切れている線をつなぐ
- AI特有の不自然なパーツを描き直す
- ベクター化して解像度を上げる
「AIはあくまで素材作り、仕上げは人間」というスタンスで制作することで、著作権的にも「創作的寄与」が認められる可能性が高まり、商品としての価値もグッと上がります。
SNSを活用した外部からの集客と販促
Amazonの検索だけに頼る「待ち」の姿勢では、今のアルゴリズムで上位に食い込むのは難しいです。成功している人は、SNSを使って自分で集客しています。
例えば、TikTokやInstagramのリールで「実際にその塗り絵を塗っている動画」を投稿するのは非常に効果的です。完成していく過程を見せることで、「私も塗ってみたい!」という欲求を刺激できます。そこからプロフィール欄のリンク経由でAmazonに誘導する、という動線を作ることが、2026年の勝ちパターンの一つです。
電子データ販売による新たな収益化
最後に、収益構造を変えるアプローチです。利益率の低いAmazonのペーパーバックだけに依存せず、EtsyやSTORESなどで「PDFデータ(ダウンロード販売)」として売る方法です。
【デジタル販売のメリット】 デジタル販売なら、印刷コストも送料もかかりません。売上の90%以上が利益になることもあります。また、ユーザーにとっても「何度でも印刷して失敗できる」というメリットがあるため、実はかなり需要があるんです。
Amazonは認知拡大のための「広告塔」として使い、利益はデジタル販売で確保する。そんなハイブリッドな戦略も検討してみる価値は大いにあります。
結論:AI塗り絵は本当に稼げないのか
結論として、「AI塗り絵 稼げない」という検索に対する私の答えは、「魔法の杖としてAIを使えば稼げないが、プロのツールとして使えばビジネスチャンスはある」ということです。
かつてのような「スキルなしで不労所得」という夢は終わりました。しかし、品質にこだわり、ニッチな需要を掘り起こし、法律を守って運営できる「事業者」にとっては、まだまだ面白い市場です。もしこれから参入するのであれば、AIに頼り切るのではなく、AIを使いこなして新しい価値を作るという意識でチャレンジしてみてくださいね。